毎日新聞
「緊急地震速報」を受信すると自動で鍵が開いたりブレーカーが下りたりする家が千葉県木更津市に完成した。危機管理アドバイザーの国崎信江さん(38)が自宅兼事務所として建てた。防災、防犯、家庭内での不慮の事故などから身を守る工夫が満載だという。さっそく見学に出かけた。【浜田和子】
丘陵に建つ白く瀟洒(しょうしゃ)な外観からは堅牢な“防災基地”には見えない。玄関を開けると白を基調としたインテリアで統一されているのが美しい。
玄関を入ると右側に引き戸がある。片側を開けると収納庫になっている。弁当箱のような端末が5台、壁に取り付けられていた。「これがこの家のシステムの中枢です」と国崎さん。地震計を内蔵した端末が緊急地震速報で震度5強を受信すると、玄関ドアや窓シャッターの開閉▽電気遮断▽IH器具の火元遮断−−などが自動で行われ、二次火災や閉じ込められる被害を減らすことができる。国崎さん方は母親(68)、夫(38)、子ども3人(12歳、9歳、2歳)の計6人家族。「実際、速報を受けてから地震到達までの数秒間にできることは限られている。高齢者や幼児のいるわが家では、システムに助けてもらうことで、家族の身を守る方に気持ちを向けたい」という。
一方、引き戸のもう片側を開けると、なんと階段が現れた。「不審者が入ってきても階段の上がり口がわかりにくければ避難する時間を稼げるので」と笑う。床は転落してもケガを最小限にするためコルク張り。両壁の手すりはそれぞれ高さ70センチと90センチ。お年寄りや子どもにも手が届く。手すりには蓄光材がつき、夜間や停電時には発光し足元を照らてくれる。
各個室に出入り口が二つ以上あり、ほとんどの扉が引き戸になっているのもおもしろい。避難経路の確保を目指したもので、浴室やトイレまで、スライド窓が開いたり、一見すると壁なのだが引き戸になっていたりする。小4の次男は「忍者屋敷みたい!」と大喜びだという。
そのほか、▽家具は造りつけ▽窓は防犯合わせ複層ガラス▽壁は自然素材の珪藻土(けいそうど)▽各部屋に換気システム▽台所天井には自動消火装置▽寝室には避難グッズ▽靴収納庫にはヘルメット▽子ども部屋には外階段へ抜けられるバルコニー▽外壁には感知式屋外灯▽道路際には緊急情報の流れる電光掲示板付き自動販売機−−など配慮満載。建築を担当した木下工務店は「ここまで徹底した住宅はわれわれも初めて」と驚く。
さらに国崎さんは、蓄光テープを玄関の上がりがまちやコンセントに張るなど、住んでみて気づいた危険箇所に手を加え続ける。これら個々に改造したり発注する手間は相当なもの。「メーカーは安全・安心な住宅をパッケージプラン化すれば、手軽に多くの人が利用できるのではないか」と国崎さんは提案する。また「地盤や犯罪傾向、地域の地震対策などに詳しく、家族構成に合ったアドバイスのできる専門家を各住宅メーカーは置いてほしい」と要望している。
最後に、気になるシステムのお値段は−−。地震計内蔵の緊急地震速報受信端末6万8000円+毎月の情報配信料1800円▽速報と連動したシャッターや照明システムなどのユニット合計約100万円▽電気遮断コンセント10〜15万円▽玄関引き戸約70万円▽ヘルメット4000円など。優先順位をつけてあなたも設置してみる?
「緊急地震速報」を受信すると自動で鍵が開いたりブレーカーが下りたりする家が千葉県木更津市に完成した。危機管理アドバイザーの国崎信江さん(38)が自宅兼事務所として建てた。防災、防犯、家庭内での不慮の事故などから身を守る工夫が満載だという。さっそく見学に出かけた。【浜田和子】
丘陵に建つ白く瀟洒(しょうしゃ)な外観からは堅牢な“防災基地”には見えない。玄関を開けると白を基調としたインテリアで統一されているのが美しい。
玄関を入ると右側に引き戸がある。片側を開けると収納庫になっている。弁当箱のような端末が5台、壁に取り付けられていた。「これがこの家のシステムの中枢です」と国崎さん。地震計を内蔵した端末が緊急地震速報で震度5強を受信すると、玄関ドアや窓シャッターの開閉▽電気遮断▽IH器具の火元遮断−−などが自動で行われ、二次火災や閉じ込められる被害を減らすことができる。国崎さん方は母親(68)、夫(38)、子ども3人(12歳、9歳、2歳)の計6人家族。「実際、速報を受けてから地震到達までの数秒間にできることは限られている。高齢者や幼児のいるわが家では、システムに助けてもらうことで、家族の身を守る方に気持ちを向けたい」という。
一方、引き戸のもう片側を開けると、なんと階段が現れた。「不審者が入ってきても階段の上がり口がわかりにくければ避難する時間を稼げるので」と笑う。床は転落してもケガを最小限にするためコルク張り。両壁の手すりはそれぞれ高さ70センチと90センチ。お年寄りや子どもにも手が届く。手すりには蓄光材がつき、夜間や停電時には発光し足元を照らてくれる。
各個室に出入り口が二つ以上あり、ほとんどの扉が引き戸になっているのもおもしろい。避難経路の確保を目指したもので、浴室やトイレまで、スライド窓が開いたり、一見すると壁なのだが引き戸になっていたりする。小4の次男は「忍者屋敷みたい!」と大喜びだという。
そのほか、▽家具は造りつけ▽窓は防犯合わせ複層ガラス▽壁は自然素材の珪藻土(けいそうど)▽各部屋に換気システム▽台所天井には自動消火装置▽寝室には避難グッズ▽靴収納庫にはヘルメット▽子ども部屋には外階段へ抜けられるバルコニー▽外壁には感知式屋外灯▽道路際には緊急情報の流れる電光掲示板付き自動販売機−−など配慮満載。建築を担当した木下工務店は「ここまで徹底した住宅はわれわれも初めて」と驚く。
さらに国崎さんは、蓄光テープを玄関の上がりがまちやコンセントに張るなど、住んでみて気づいた危険箇所に手を加え続ける。これら個々に改造したり発注する手間は相当なもの。「メーカーは安全・安心な住宅をパッケージプラン化すれば、手軽に多くの人が利用できるのではないか」と国崎さんは提案する。また「地盤や犯罪傾向、地域の地震対策などに詳しく、家族構成に合ったアドバイスのできる専門家を各住宅メーカーは置いてほしい」と要望している。
最後に、気になるシステムのお値段は−−。地震計内蔵の緊急地震速報受信端末6万8000円+毎月の情報配信料1800円▽速報と連動したシャッターや照明システムなどのユニット合計約100万円▽電気遮断コンセント10〜15万円▽玄関引き戸約70万円▽ヘルメット4000円など。優先順位をつけてあなたも設置してみる?

